1969年7月16日、アポロ11号の船長、ニール、アームストロング船長が人類として初めて月面着陸に成功。予備チームだったジム(トム・ハンクス)、フレッド(ビル・パクストン)、ケン(ゲイリー・シニーズ)の3人は、この輝かしい月面着陸のシーンを家族と一緒にテレビで見守っています。
“That’s one small step for man, one giant leap for mankind!”
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」という有名なセリフを聞きながら、ジムは必ず自分も月に戻ると決意するのでした。
1970年4月11日13時13分。直前の検査で風疹発症の可能性から搭乗権を取り消されたケンの代わりに予備チームの司令船パイロット、ジャック・スワイガート(ケヴィン・ベーコン)が選ばれ、いよいよ3人を乗せてアポロ13号は月に向けて発射しました。
ところが4月13日、ヒューストンの管制室からの命令で機械船の液体酸素タンクを撹拌したとたんに爆発が起き、機体は揺れ、酸素残量がみるみる減少。ジムは空気が流出していくのを窓から発見します。酸素の流出を止めるには燃料電池の反応ガス弁を閉じるしかないとヒューストンから指示されます。しかしガス弁を閉じることは月をあきらめることを意味していました。ジャックからガス弁を閉じる様指示されたフレッド。果たして酸素の流出は止められるのでしょうか・・・
アポロ11号から16号までの月面探査船計画でただ一機月に到達できなかったアポロ13号、実際のアポロ13で船長を務めていたジム・ラヴェルの著書を原作に、その絶体絶命の危機と地球への生還描く人間ドラマ「アポロ13」を紹介します。
□■1997年 アメリカ映画「アポロ13」■□
どんな困難な危機であっても、人類の英知の前に不可能がない事を知らしめた、あまりにもドラマティックな実話を遂にハリウッドが映画化。1970年4月、月へ向けて打ち上げられたアポロ13号に爆発事故が発生。その絶望的な状況の中、ヒューストン管制センターでは3人の乗組員を無事地球に帰すため、必死の救出作戦が展開されていた…。
不定詞の働き
1.名詞と同じような働き(名詞的用法)
意味:「~すること」
文の中で名詞の働きをし、S(主語)・O(目的語)・C(補語)のどれかになります。
① S(主語になる)
To study abroad is interesting.
S V C
(海外で勉強することは面白い。)
➡不定詞を主語とした名詞的用法は「it」を用いた形式主語というもので書き換えることができます。形式主語のitを受けるto不定詞も、主語になる場合の名詞的用法の一つです。
It is interesting to study abroad.
② O(目的語になる)
He need to see a doctor.
S V O
(彼は医者に診てもらう必要がある。)
needという他動詞の目的語になっている
➡名詞的用法のto不定詞が目的語になる場合にも、itを用いた文で表すことができます。これは、SVOC(第5文型)の文に現れます。形式目的語のitを受けるto不定詞も、目的語になる場合の名詞的用法の一つです。
keep, make, think, leave, findなど、目的語および補語の両方を必要とする動詞(不完全他動詞)の目的語になる不定詞の用法はこの形が普通です。
I find it easy to drive a car.
(車を運転することは簡単だと分かった。)
I thought it undesirable to tell them the truth.
(私は彼らに本当のことを話すのは望ましくないと考えた)
形式目的語の構文は動詞の後に it を置き、補語の後に置く不定詞で it の内容を説明するというものです。いずれの文章も it に相当する内容を後から不定詞で説明しています。
③ C(補語になる)
My dream is to be a doctor.
S V C
(私の夢は医者になることです。)
私の夢(主語)=医者になること(補語)
この不定詞は主語の内容を説明する主格補語の役割となっている。
※主語(S)を説明する補語(C)のことを主格補語と呼びます。
2.形容詞と同じような働き(形容詞的用法)
意味:「~するための/~すべき」
文の中で形容詞の働きをし、形容詞的用法の to不定詞は修飾する名詞の「後」に置きます。形容詞的用法は名詞を修飾するパターンと補語になるパターンを合わせた5種類になります。
① 修飾される語が不定詞の意味上の主語となる場合
I need someone to help me with my job.
(私は仕事を手伝ってくれる人が必要です。)
someone(誰か)はhelp の主語の働きをしている
このパターンは不定詞以下を関係詞節を使って言い換えることで意味上の主語が誰なのかはっきりさせることができます。
I need someone to help me with my job.
➡I need someone who can help me with my job.
主格の関係代名詞 who を使って書き換えることができました。
つまり、上の文の不定詞 to helpというが修飾している名詞(someone)が不定詞の意味上の主語になっていることがわかりますね。
名詞を修飾する形容詞的用法の不定詞について、その意味上の主語を考える場合は、関係詞節に書き換えて考えるとより分かりやすくなります。
② 修飾される語が不定詞の意味上の目的語となる場合
I have a lot of work to do this week.
(私には今週なすべき仕事がたくさんある)
a lot of work は doの目的語の働きをしている
(たくさんの仕事をする=do a lot of work)
関係詞節に書き換えると・・
I have a lot of work which I have to do this week.
目的格の関係代名詞 whichを用いた関係詞節に書き換えられましたので、修飾されていている名詞は不定詞の意味上の目的語となっていることがわかります。
③ 修飾される語が前置詞の意味上の目的語となる場合
自動詞は直接に目的語を取ることができないので不定詞に含まれる動詞が自動詞の場合、前置詞が必要になります。
Do you have anything to write with?
(何か書くものを持っていますか。)anythingは前置詞 withの目的語の働きをしている。
I need a bigger apartment to live in.
(私は住むためのもっと大きなアパートが必要です。)
I want a chair to sit on.
(私は座るための椅子が欲しい。)
例えば他動詞drinkの場合、「水を飲む」は drink water、「飲む(べき)水」は water to drink で問題はありません。しかし live(住む)という自動詞は、「家に住む」は live in a house で live のあとに場所を表す前置詞 in が必要です。したがって、「住む(べき)家」も a house to live in としなければなりません。
④不定詞が直前の名詞の内容を説明するもの
このパターンでは不定詞に修飾される語が主語でも目的語でもありません。
I made a decision to become an actress.
(私は女優になるという決断をしました。)
不定詞 to become an actress が直前の名詞 a decision の内容を説明しています。このパターンでは不定詞に修飾される語が主語でも目的語でもありません。意味としては「女優になるという決断」となり、このように「V(不定詞のV)=become」というN(直前の名詞=decision 」と訳します。このような関係は「同格」とも呼ばれます。
It’s time to go.
(もう行く時間だ。)
He broke his promise to meet me at the station.
(彼は駅で私と会うという約束を破った。)
同格と呼ばれるこれらの用法は厳密には名詞的用法となります。しかし、to不定詞の中には名詞用法/形容詞用法/副詞用法のどれかに厳密に分類することが難しいものあり、この用法もそれにあたります。
3.副詞と同じような働き(副詞的用法)
意味:「~するために」その他、訳し方はさまざま
「to+V」という不定詞の形で副詞の意味をなし、動詞・形容詞・副詞を修飾するほか、文〔節〕全体を修飾する働きがあります。名詞的用法の「~すること」、形容詞的用法の「~するための/~すべき」と訳して不自然な to不定詞はすべて副詞的用法と考えてください。
① 目的を表す副詞的用法
I got up early to catch the first train.
(私は始発列車に乗るために、早起きした。)
早起きした➡その目的は始発電車に乗るため
目的の意味を一層はっきりさせるためにin orderやso asを不定詞の前につけ加えることがあります。 否定形は、in order not to ~, so as not to ~ (~しないように)
➡I got up early in order to catch the first train.
※ 節への書き換え
so ( in order ) that A may (can) ~(Aが~するように、するために)
➡ I got up early so that I could catch the first train.
(私は始発列車に乗るために、早起きした。)
② 結果を表す副詞的用法
He studied hard to be a teacher.
(彼は一生懸命勉強をして先生になった。)
「・・した結果、~する」という意味になります。
He grew up to be a famous pianist.
(彼は成長して有名なピアニストになった)
×ピアニストになるために
never to ~:「~、そして二度と・・・しなかった」
They separated, never to see each other.
(彼らは分かれて、再開することはなかった。)
only to~:「~し、結局は・・しただけだった」
He arrived at the station, only to find that train had already left.
(彼は駅に到着したが、結局は電車が発車してしまったのが分かっただけだった。)
③ 原因や理由を表す副詞的用法
I’m happy to see you.
(あなたに会えて、うれしい。)
感情を表す形容詞・動詞のあとで使います。
④ 判断の根拠を表す副詞的用法
感嘆文・疑問文あるいは推定や断定を表す平叙文の後に置いて、その理由や原因、条件などを表すことができます。
What a lucky man you are to get a position as a director!
(重役の口を見つけるとは、きみは何と幸せ者なのだろう)
He must be very rich to buy all that land.
(あの土地をすっかり買い占めたとは、彼は大変な金持ちに違いない)
It is (was )+形容詞(人物評価の形容詞)+of+人+不定詞
It is kind of you to help me.
(助けてくれるなんて、どうも御親切に。)人物評価を表す形容詞
人物評価の形容詞:polite(礼儀正しい)、rude(無礼な)、brave(勇敢な)、clever(賢明な)、foolish(愚かな)など
⑤ 形容詞を修飾する不定詞
My boss is slow to accept the new technology.
(私のボスは新しい技術を受け入れるのが遅い。)
That old machine is not safe to touch.
(あの古い機械は触れるとあぶない)
不定詞がしていることは………
一人で何役もこなす to不定詞。
しかし、不定詞がしていることは一つ
“足りないをおぎなうこと”
だと、私の尊敬する大西泰斗先生はおっしゃっています。
例文
①Do you know how…?(どうやってやるのか知ってる?)
何を?足りないから不定詞で補うと・・
Do you know how to get to the station?
(駅へ行く方法だよ)
②She is the first Japanese woman.(彼女は最初の日本女性です…)
どんな女性?足りないから補うと・・・
She is the first Japanese woman to become an astronaut.(宇宙飛行士となった)
「説明が足りない」「情報が足りない」を感じたら不定詞でおぎなう。ただそれだけのことだとおっしゃっています。
覚えるだけでもクラクラしそうなほどたくさんの使い方がある不定詞ですが、どんどん音読して、足りない情報を付け加える感覚で使われる不定詞のニュアンスを習得していきましょう。
もし、効果がなきゃ・・・
酸素の流出を止めるには燃料電池の反応ガス弁を閉じるしかないとヒューストンから指示されたアポロ13号の飛行士3人は、これで月への着陸は無くなってしまうと分かりながらも、ヒューストンの指示に従います。ジムがフレッドに弁を閉じるスイッチを入れされます。酸素を示す計器をじっと見守る3人でしたが、その時ジャックが次のようにつぶやきます。

(C)1995 Universal Studios. All Rights Reserved.
If this doesn’t work, we’re not gonna have enough power left to get home.
効果がなきゃ、電力が切れて地球に戻れない。
enough power (じゅうぶんな電力)が無い。
不定詞「to get home」が直前の名詞「enough power 」の内容を説明しています.
十分な電力が残されていない➡どんな電力なのか➡家(地球)に帰るための
本当に燃料電池の反応ガス弁を閉じるという判断は正しかったのでしょうか。
絶望的な状況の中、必死に船を操る宇宙飛行士3人、そしてアポロ13を地球に帰すため不眠不休で必死の救出作戦に乗り出ヒューストン管理センター。
当時の最新CGや模型を駆使したダイナミックな映像にくぎ付けになります。
また、ジーン・クランツ主任管制官(エド・ハリス)が発する数々の名セリフも心に響きます。
初の月面着陸から約50年経過した今、改めて人類による月面着陸が注目されています。世界各国で宇宙開発が活気を帯びてきました。
皆さんもこの映画で改めて地球から最も近い天体「月」へのロマンを感じてくださいね。
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